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実現のカギはWeb3に明るい担当者の存在「Web3は玄人向けの技術だ」を覆すマーケットプレイス開発を支援【VAIABLE様】

実現のカギはWeb3に明るい担当者の存在「Web3は玄人向けの技術だ」を覆すマーケットプレイス開発を支援【VAIABLE様】

実現のカギはWeb3に明るい担当者の存在「Web3は玄人向けの技術だ」を覆すマーケットプレイス開発を支援【VAIABLE様】

Web3領域のコンサルティングとサービス開発を行う「VAIABLE」では、誰でも手軽に活用できるNFTを実現するマーケットプレイス「VaiNFT」を展開しています。高度で複雑なNFT活用ですが、技術的ハードルを打破すべくSolashiと共に独自開発に取り組みました。今回は株式会社VAIABLE代表の貞光さんに「課題をいかに乗り越えたのか」についてお話を伺います。

技術的ハードルを下げて誰でも手軽に使えるNFTの実現へ

――まずはVAIABLEの事業概要と貞光さまの自己紹介をお願いできますでしょうか。

貞光さん:当社は2022年6月に設立された若い会社で、AIやWeb3などの先端技術領域のコンサルティング、およびサービス開発を行っています。私は大学博士課程を修了後、NTT研究所で研究開発を行っていました。その後ITコンサルのフューチャー株式会社でAI部門長を務めた後に独立し、VAIABLEを立ち上げました。

――VaiableではNFTプラットフォーム「VaiNFT」を運営されています。どういった経緯から立ち上げられたのでしょうか。

貞光さん:NFTが数年前から盛り上がりを見せる中、デジタルコンテンツの所有権や著作者を明確にする技術として、私も興味を持っていました。近年はキャピタルゲイン的な動きが強まっていましたが、その次に来るものに関心を寄せています。

昨今はクリエイターと著作権を取り巻く社会問題が大きく、著作権を正しく確保することがとても重要だと考えています。こうした中、NFTを活用してみなさんが手軽に使っていけるようなサービスを作りたいと思いました。ですが従来NFTの発行には、暗号資産が必要で、そこに至るための技術的なハードルが高いなどの課題があります。

一方でNFTの活用にはまだまだ可能性があると考えています。そのうちの1つがチケットや参加証のような使い方です。NFTならアーティストの画像を取り込んだり、コンサートへの参加証として永続的な価値を持たせることができます。また個人の経験の価値をNFTとして蓄積する使い方もできます。例えば、クラウドファンディングでの支援やソフトウェア開発経験などを、NFTとして残すような世界観が技術的には可能です。

こうした活用は本来誰でもできるものですが、NFTの作成や配布には技術的なハードルがあり、導入が難しいのが現状です。そこで技術的なハードルを超えて、誰でもNFTを手軽に使えるようにできるよう、立ち上げたのが「VaiNFT」です。

Web3の知見×技術力×信頼のコミュニケーションが決め手となりSolashiへ委託

――そうした中、オフショア開発の委託に至った経緯についてお聞きできますか。

貞光さん:2022年6月に会社を設立後、その夏には私の独力で「VaiNFT」の前身となるマーケットプレイスをローンチしました。ただそこには課題がありました。そのマーケットプレイスはShopifyのシステムに載っているサービスで、商品としてNFT作品を掲載し、注文があれば私がNFTを送るという地道な処理が必要でした。

NFT最大のマーケットプレイスである「OpenSea」では自動的にNFTを発行し売買できますが、それだと「暗号資産をなるべく使わずにNFTを簡単に使える」という目的が達成できません。そこで最終的に自社開発するしかないという考えに至り、ベンダーを探すことにしたのです。

――Solashiへの委託に至った決め手についてお教えください。

貞光さん:最初に出会った大きなイベントで島添さんとお話しして、技術に明るい方だという印象を受けました。個別の技術者の方とお話することでますますその考えは深まっていきました。またWeb3の知見や実績を持つベンダーさんは少ない上、今回使用を検討していた、「NFTを誰でも無料で発行できる技術」をハンドリングできるベンダーさんはほとんどなく、実はそのハードルが高かったんです。

Solashiさんはそのハードルを乗り越えてくれたことが、発注に至った大きな理由です。Solashiさんは技術も確かですし、コミュニケーションでも信頼できるためお願いすることにしました。加えてオフショアであることから、リーズナブルなコストで私たちの要求を満たしてくれたことも決め手になりました。

島添:委託する時に要求要件が定まっていないことはありがちですが、貞光さんからの要求は非常に明確だったので、大きな提案をする必要はありませんでした。実際に、技術的に可能かどうかの確認が主なやり取りで済みました。その中でプロダクトの初期から関われたことで、私たちとしてもよい動きができたのではないかと思います。

窓口となったSolashi担当者の理解力と開発者の高い技術力で複雑な課題を解決へ

――支援を依頼した際の具体的な取り組みはどうでしたか。

貞光さん:まずは技術調査をお願いして、できそうだという回答をいただいたので、その後はPoCをお願いしました。当初2〜3ヶ月の想定でお願いしたところを1ヶ月で進めていただき、実現可能性が高いと判断して本番開発を依頼したという流れです。

島添:実際の案件になる前から、Web3の知見に明るい当社のエンジニアと会話していましたが「これはやってみたい」ということで、正式な発注の前から腕試しとして取り組んでもらいました。彼自身すごく前のめりに取り組んでくれたので、これは貞光さんと話を進めなければ、ということで期待値調整をしました。私たちはあくまで技術や開発の会社である中で、エンジニアとしての姿勢や内部のコミュニケーションの部分でうまくはまったと思いますし、そのおかげで楽しんで取り組めたのではないかと思います。

貞光さん:取り組み方はスピード感があって素晴らしかったですね。担当されたタンさんも楽しんでやっている気配も感じました。私がもともと研究畑でやってきたので、共鳴し合っていたような感じもしますね。

島添:Web3は玄人向けの技術だというのが私たちの中での暗黙的な了解で、ブロックチェーンの根本を理解している人も少ない。でも私たちはこの技術が好きで開発をやってきたし、この技術もスケールしないと、せっかくやってきたのにあまり意味がないと、エンジニアとも話してきました。

そういう中で貞光さんからのお話をいただき「これなら誰でも始められるしハードルも下がる。新しいものを紐解くきっかけになるのではないか」という流れで取り組んでみたいと思ったんです。クライアントの夢が現実になっていく魔法のような3ヶ月でしたね。

――Solashiへ依頼してみていかがでしたか。

貞光さん:開発の間にもいくつものハードルがありましたが、お互いに知恵を出し合いながら解決策を導けたことが非常に大きかったと思います。どこで躓いてもおかしくなく、選択肢が他にない可能性もある中で、なんとか方策を見つけてくれたのは、チームワークの賜物です。

それができたのはメンバーの技術力と理解力が影響していると思います。やりたいことはシンプルですが、紐解いていくと複雑になっていく。その全体像をメンバーみんなが理解していくことはスキルが必要でありながら、上手に共有できていたと思います。島添さんやコミュニケーターのアインさんを中心に広げてもらえたおかげで、解決策が見つけやすかったのではないでしょうか。

島添:私たちはまだまだ小さな会社で、オペレーションは頻繁に組み替えています。それまで社内のPMがすべてをジャッジしてきた、という分担から、お客さんの窓口になっているブリッジ役が直接判断して調整していくべきだと、社内の権限を変えたんです。それに伴って彼女のオーナーシップが発揮されて、プロダクトを誰よりも深く理解し紐解いてくれました。さらにそのバディになってくれたリーダークラスのメンバーがよく汲み取ってくれましたし、それぞれの主体性がうまく発揮されたと思います。

誰もがあらゆるシーンでNFTを使える。その第一歩を踏み出せた

――チームの雰囲気を保つためにどのような工夫をしましたか。

島添:ベトナムでは任された仕事に対する主体性が強い国民性もあるかもしれません。そこには期待以上のコミットメントを発揮してくれています。それに加えてミーティングの場面でも、私からあえて答えを言わず、各々がどう考えているか、乗り越えていくかを問う中で、レベルも上がってきたように感じます。

――今回の取り組みを振り返ってどう感じますか。

貞光さん:期待を超えすぎるケースがよくあって、例えば課題解決の手段として松竹梅と3つあるなかで、私としては工数の観点からも梅か、よくても竹くらいだろうと想定で考えているところを、Solashiさんからは松で行きますと。むしろこっちが「工数大丈夫ですか」と心配するような、普通とは逆の関係性になることがありました。そうやって質を求めて開発してくれるという印象があり、それゆえにいいプロダクトに仕上がったのではないでしょうか。

島添:開発の途中で発生した問題の解決のために、その場しのぎの対応が癖づいてしまうと、結果的にメンテナンスがしづらく、使いにくいサービスになってしまいます。それはメンバー全員が理解していることです。ですのでツギハギでの対応ではなく、あるべきコード品質から考え、それが予定工数内で収まるかどうか、といったことは常に考えるようにしています。

また当社では社内表彰制度があるのですが、年間ベストプロジェクトはNFTに、MVPはコミュニケーターのアインさんになりました。このプロジェクトを通じて彼女は自信もついたと言っています。いままで技術者と会話できないと思っていたそうですが、きちんと理解する姿勢を見せたことで、いまではコミュニケーターも一緒にプロジェクトを進められるようになってきました。このプロジェクトがメンバーの成長のきっかけになったと思います。

――今後の展望についてお聞かせください。

貞光さん:「VaiNFT」はNFTを広めるためのツールですが、やっとその第一歩を踏み出せた段階に過ぎません。みなさんがあらゆるシーンでNFTを使ってもらう中で、さまざまなシーンに応じて適切なアプリケーションが必要になると思います。「VaiNFT」がその入口としての役割を果たし、そこからアプリケーションの世界を広げていきたいと思います。その中でまたSolashiさんの力を借りて一緒に取り組んでいけたらうれしいですね。

島添 彰

合同会社Solashi Japan代表。1989年4月生まれ、福岡県出身。大阪府立大学大学院情報数理科学専攻修了。2014年サントリーホールディングスのIT機能をもつ「サントリーシステムテクノロジー株式会社」に入社。自動販売機の配送管理や効率化、販売管理システムの開発から運用、導入まで広く担当する。2017年にYper株式会社を創業、同社のCTO・CPOに就任。アプリ連動型の置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の立ち上げ・プロダクトのグロースに携わる。東洋経済社の名物企画「すごいベンチャー100」、Forbes誌による「Forbes 30 Under 30 Asia 2019」に選出される。

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