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システム開発を引き継ぐ方法とは?注意点や会社の選び方を解説!

システム開発を引き継ぐ方法とは?注意点や会社の選び方を解説!

システム開発を引き継ぐ方法とは?注意点や会社の選び方を解説!

システム開発の現場では、なんらかの理由でシステム開発を他社に引き継ぐことがあります。この引き継ぎプロセスは決して容易ではありませんが、プロジェクトの成功には不可欠です。

「システム開発を他の開発会社に任せたい」
「現在の委託先でシステム開発が困難になり、どうすればいいかわからない」

このようなお悩みを抱えている方に向けて、本記事ではシステム開発の引き継ぎの進め方や注意点、引き継ぎ資料の作成方法について詳しく解説します。引き継ぎを直前に控えている方はもちろん、現在システム開発を進行中の方や、今後システム開発の外注を検討している方にとっても有益です。システム開発をスムーズに成功させたい方は、ぜひご覧ください。

島添 彰

合同会社Solashi Japan 代表取締役。サントリーにて社内向けシステムの開発・運用に携わる。Yper株式会社を創業し、CTO・CPOとしてプロダクトの立ち上げ・グロースに従事。

システム開発の引き継ぎとは?

システム開発の引き継ぎとは、進行中または完了したプロジェクトを新しい開発会社に移管することです。これは主に、現在の開発会社との契約終了や、開発会社がプロジェクトの要求に応えられなくなった場合に発生します。引き継ぎの過程では、技術的な側面と事業的な側面の両方を新しい開発会社に伝える必要があります。

  • 技術面…ソースコードやデータベース設計などの具体的な成果物
  • 事業面…プロジェクトの背景や目的、今後の展望など

これらの情報提供により、新しい開発会社はプロジェクトの全体像を把握し、スムーズに開発を継続できるようになるのです。適切な引き継ぎは、プロジェクトの進行を改善し、成功への道を開きます。しかし、このプロセスは決して容易ではありません。そのため、慎重な計画と実行が不可欠となるでしょう。

システム開発を引き継ぐ理由

システム開発の引き継ぎを決定するに至る理由は様々です。プロジェクトの進行状況や企業のニーズの変化により、現在の開発会社との関係を見直す必要が生じることがあります。主な理由として、以下の4つが挙げられます。

  • システム開発の継続が不可能になった
  • 改修や機能追加に応じてもらえない
  • コストが見合わない
  • 対応スピードが遅い

これらの問題は、プロジェクトの遅延や品質低下を招く恐れがあります。早期に課題を把握し、適切な対策を講じることが重要です。順番に解説しましょう。

システム開発の継続が不可能になった

システム開発プロジェクトの途中で、予期せぬ事態により継続が困難になるケースがあります。このような状況は、プロジェクトの規模や複雑さに関わらず発生する可能性があり、深刻な問題につながりかねません。主な原因として以下が挙げられます。

  • 技術力不足:開発会社の技術力が要求されるレベルに達していない
  • リソース不足:人員や設備が不足し、プロジェクトの規模に対応できない
  • 経営破綻:開発会社の倒産や事業停止により、連絡が取れない

改修や機能追加に応じてもらえない

システムの改修や機能追加が必要になった際に、開発会社が要求に対応できないことがあります。たとえば、以下のような状況が考えられるでしょう。

  • 契約範囲外:保守契約に大規模な改修や機能追加が含まれていない
  • 技術的制約:新しい技術や大規模な変更に対応する能力がない
  • リソース不足:他のプロジェクトで手一杯で、追加開発に対応する余裕がない

このような状況は、システムの成長や事業の発展を妨げる可能性があります。

コストが見合わない

システム開発において、予想以上のコスト増加により費用対効果が見込めなくなり、開発が停滞または中断することがあります。これは引き継ぎを検討する重要な要因の一つです。コスト増加の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 不適切な初期見積もり
  • 開発範囲の拡大や要件の変更
  • 開発期間の延長による人件費の増加

これらの要因によりプロジェクトのコストが膨らむと、当初想定していた投資対効果が得られなくなる可能性があります。

弊社「Solashi Co., Ltd」はベトナムに拠点を置くオフショア開発企業です。人件費の安く、エンジニアが豊富なベトナムの強みを活かして、高品質のシステムをお手頃な価格で開発いたします。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

対応スピードが遅い

システム開発会社の対応スピードが遅い場合、プロジェクトの進行に支障をきたし、引き継ぎを検討する要因となります。原因としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • 多層的な下請け構造による意思決定の遅れ
  • リソース不足や並行プロジェクトによる優先度の低下
  • 技術力不足による複雑な要件への対応の遅れ

特に、初期開発での遅延は、本稼働後の保守運用や障害対応にも影響します。顕著な遅れが生じた場合は、早期改善要請や他社への引き継ぎを検討すべきです。

システム開発の引き継ぎ4つの手順

運用しているシステムの引き継ぎは、次の4つの手順でおこないます。

  1. システム開発に関する資料を集め、整理する
  2. システムを引き継ぐ運営会社の決定
  3. 引き継ぎ方法の決定
  4. 引き継ぎの実施

それぞれのステップについて、順番に解説します。

1.システム開発に関する資料を集め、整理する

システム開発の引き継ぎには、関連資料の収集と整理が不可欠です。以下の点に注意しましょう

  • 現在の開発会社から可能な限り全ての関連文書を入手する
  • 資料が不足している場合は、新しい開発会社と協力して対応策を検討する
  • 入手した資料を整理し、プロジェクトの全体像を把握できるようにする

これらの準備により、新しい開発チームへの引き継ぎがスムーズになり、プロジェクトの継続性が保たれます。

2.システムを引き継ぐ運営会社の決定

適切な引き継ぎ先の選定は、プロジェクトの成功を左右する重要なステップとなります。技術力、過去の実績、コミュニケーション能力など、多角的な視点から評価することが大切です。また、自社のビジョンや開発方針と合致しているかも重要な判断基準となります。

引き継ぎ先会社の具体的な選び方については、後に詳しく解説します。

3.引き継ぎ方法の決定

システム開発の引き継ぎを成功させるには、具体的な計画が大切です。新しい開発会社と相談し、現状把握、スケジュール設定、情報共有の方法を決めましょう。

計画は柔軟に見直し、必要に応じて調整します。両社が密に連携し、臨機応変に対応することが、スムーズな引き継ぎの鍵となります。

4.引き継ぎの実施

引き継ぎの準備が整ったら、計画に沿って実際の作業を進めていきます。しかし、予定通りに進まないことも少なくありません。例えば、引き継ぎ書に抜けがあったり、予想外の問題が発生したりすることがあります。そのため、柔軟に対応するための体制づくりが重要です。

また、スケジュールや引き継ぎ書は、変化に合わせて常に更新していく必要があります。新たな情報や課題が見つかったら、すぐに反映させ、関係者間で共有しましょう。この柔軟な対応により、円滑な引き継ぎが可能になり、プロジェクトの成功につながります。

システム開発の引き継ぎ時に共有すべき情報

システム開発の引き継ぎを円滑に進めるためには、必要な情報を漏れなく共有することが重要です。不完全なドキュメントは、引き継ぎ後の業務やプロジェクトの進行に支障をきたす可能性があります。以下に、スムーズな引き継ぎのために押さえておくべき4つの項目を紹介します。

  • システム概要
  • 仕様書(ドキュメント)
  • ドキュメントにない情報
  • 関係者のリスト

システム概要

新たな開発会社への引き継ぎでは、システムの概要把握が重要です。初回の打ち合わせでは主に以下の点についてヒアリングが行われます。

  • プロジェクトの背景と開発経緯
  • システムの構築時期と運用期間
  • 開発の概算コスト
  • 元の開発会社との現在の関係
  • 現行の保守契約内容
  • 主な技術的課題や品質問題

特に開発経緯は重要なポイントです。事前に情報を時系列で整理しておくことで、新しい開発会社がプロジェクトの全体像を迅速に把握し、適切な引き継ぎ計画を立てやすくなります。

仕様書(ドキュメント)

システム開発の引き継ぎには、仕様書や関連資料の整理が欠かせません。業務、インフラ、アプリケーション、運用設計など、システムに関するドキュメントを集めましょう。

ただし、すべてを完璧に揃えることは難しいかもしれません。その場合は、現時点で把握できる情報を整理し、新しい開発会社と協力して必要な資料を補完することになります。

ドキュメントの準備は、現状を正確に把握し、今後の方向性を決めるために欠かせません。この作業が、円滑な引き継ぎと効率的な開発継続につながります。

ドキュメントにない情報

仕様書に載っていない細かな情報も、できる限り集めておきましょう。例えば、文書化されていない機能や、システムの見えにくい関連性、特殊な状況での動作などがあります。過去のトラブル対応事例や、開発者間で共有されている暗黙の知識も重要です。

これらの情報を得るには、現在の開発チームや運用担当者に直接聞くのが効果的です。非公式な知識や経験則も含めて把握することで、新しいチームがシステムをより深く理解できます。

関係者のリスト

社内外の関係者をリストアップし、それぞれの役割や連絡先、どの程度プロジェクトに関わっているかを記録しましょう。関係者リストを作成することで、新しい開発会社が必要な人とすぐに連絡を取れるようになり、開発が進めやすくなります。

システム開発を引き継ぐポイント

引き続きを成功させるためのポイントを解説します。

  • 引き継ぎ事項はすべてドキュメントに残す
  • ドキュメントには図表も加える
  • 作業の目的を記載する

引き継ぎ事項はすべてドキュメントに残す

システム開発の引き継ぎでは、すべての情報をドキュメント化することが重要です。口頭で伝えた内容や些細な事項も含め、可能な限り記録しましょう。これにより、後々の混乱や「言った・言わない」トラブルを防げます。ドキュメント化は、情報の欠落や誤解を防ぎ、円滑な引き継ぎを実現します。

ドキュメントには図表も加える

システムの引き継ぎ資料に図表を含めることは、情報の明確な伝達に役立ちます。複雑なシステム構造や処理フローを視覚化することで、新しい開発チームの理解を促進できます。

可能であれば、システム全体の概要図、主要なデータフロー図、ユーザーインターフェースの概略図といったものを準備しましょう。これらの図表は、文書による説明を補完し、システムの全体像をより迅速に把握するのに役立ちます。

作業の目的を記載する

引き継ぎ書には、具体的な手順に加えて、各作業の目的や全体での役割を書き添えましょう。なぜその作業が必要なのか、システム全体でどんな役割を果たすのか、他の作業とどう関連するのかを分かりやすく説明します。

目的を共有することで、新しいチームが業務の全体像を把握し、自主的に判断できるようになります。予想外の事態が起きた時も、各作業の重要性を理解していれば、適切な対応が可能です。

システム開発を最初からやり直す選択肢もある

システム開発プロジェクトを継続する際、大きく分けて二つの選択肢があります。

  • 既存開発の引き継ぎ:現在の開発状況を新しい開発会社に移管し、既存のコードやドキュメントを基に開発を継続する。
  • システムの再構築:既存のシステムの目的や要件を踏まえつつ、新たにゼロから開発をやり直す。

引き継ぎと聞くと、一般的に前者をイメージするかもしれません。しかし、システムの再構築が有効な選択肢となる場合も少なくありません。

たとえば、要件定義が不明確な場合は、要件を再定義して再構築する方が、結果的に高品質なシステムを効率的に開発できます。システム開発会社と十分に相談し、プロジェクトの状況に最適な継続方法を選択することが重要です。

弊社「Solashi Co., Ltd」では、現在のシステム開発の状況を調査し、最適な方法を提供します。お客様の目指すシステムを実現するためのソリューションを、お手頃な価格で提案いたします。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

システム開発会社を選ぶ4つのポイント

ここでは、システム開発会社を選ぶための、4つのチェックポイントを紹介します。

  1. 担当者との相性とコミュニケーション能力
  2. 柔軟でフレキシブルな開発体制
  3. 類似システムの開発実績
  4. 納品後の運用・保守対応

1.担当者との相性とコミュニケーション能力

システム開発会社選びで最も重要な要素の一つが、担当者との相性です。良好な相性は、プロジェクトの成功に大きく貢献します。担当者との相性が良ければ、意図するシステムイメージを正確に伝達でき、誤解を防げます。

また、専門用語を平易に説明し、共通認識を形成するコミュニケーション能力も重要です。技術的な内容を非技術者にも分かりやすく説明できる担当者がいれば、プロジェクト全体の理解が深まり、スムーズな進行が期待できます。

理想的な担当者は、単なる技術者ではなく、専門家の立場から双方にプラスとなる助言ができる人材です。このような担当者がいる開発会社を選ぶことで、プロジェクトの成功確率が高まり、より価値のあるシステムを構築できる可能性が高まります。

2.柔軟でフレキシブルな開発体制

効果的なシステム開発には、状況に応じて臨機応変に対応できる柔軟な体制が不可欠です。理想的な開発会社は、要件変更への迅速な対応、プロジェクトの規模に合わせたチーム構成の調整が可能です。

柔軟性のある開発会社を選ぶことで、プロジェクト進行中に生じる予期せぬ変更や課題にも効果的に対処でき、ビジネス環境の変化に合わせてシステムを進化させることが可能となります。

3.類似システムの開発実績

システム開発会社と一言で言っても、各社の得意分野や実績は多岐にわたります。経験値の豊富さは開発の質と効率に直結するため、自社が目指すシステム開発に十分対応できる会社を選ぶことが重要です。

そのため、システム開発会社を選ぶ際は、自社が開発したいと考えているシステムに類似した実績があるかどうか、必ず事前にチェックしてください。類似実績がある会社を選ぶことで、スムーズな開発と高品質なシステムの実現可能性が高まります。

多くのシステム開発会社は実績をWebサイトで公開していますが、非公開の場合もあります。公式サイトで実績が見当たらない場合は、遠慮せずに直接開発会社の担当者に聞いてみましょう。担当者との対話を通じて、より詳細な実績情報を得られるだけでなく、その会社の対応力や専門性も確認できるでしょう。

4.納品後の運用・保守対応

システム納品後の運用・保守で手厚い対応をしているシステム開発会社を選ぶことが重要です。なぜなら、システム開発は納品してからが本当のスタートだからです。運用中のトラブルや保守メンテナンスに迅速かつ的確に対応できる会社を選べば、万が一の事態があっても安心して任せられます。

システム開発ならSolashiにおまかせ

システム開発の引き継ぎは複雑で困難な過程ですが、適切に行えばプロジェクトを成功に導く重要なステップとなります。本記事では、引き継ぎの手順や注意点、適切な開発会社の選び方について詳しく解説しました。

引き継ぎには多くの課題がありますが、最も重要なのは綿密な準備と適切なパートナー選びです。成功するシステム開発会社は、豊富な経験と実績を持ち、柔軟な開発体制を備え、納品後の運用・保守にも手厚く対応できる企業です。

Solashi Co., Ltd」は、まさにそのような要件を満たすシステム開発会社です。事業から逆算した最適な開発プロセスを提案し、日本語でのコミュニケーションが可能な専門家チームが、お客様のニーズに合わせたフレキシブルな開発体制を構築します。Short Project、MVP開発、本開発と段階的なアプローチを取り、お客様の事業成功を全力でサポートします。

システム開発や引き継ぎでお悩みの方は、ぜひSolashiにご相談ください。豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の課題解決に向けて最適なソリューションを提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

島添 彰

合同会社Solashi Japan代表。1989年4月生まれ、福岡県出身。大阪府立大学大学院情報数理科学専攻修了。2014年サントリーホールディングスのIT機能をもつ「サントリーシステムテクノロジー株式会社」に入社。自動販売機の配送管理や効率化、販売管理システムの開発から運用、導入まで広く担当する。2017年にYper株式会社を創業、同社のCTO・CPOに就任。アプリ連動型の置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の立ち上げ・プロダクトのグロースに携わる。東洋経済社の名物企画「すごいベンチャー100」、Forbes誌による「Forbes 30 Under 30 Asia 2019」に選出される。

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