「エンジニアが不足している」
「コストを抑えて人手不足を解消したい」
エンジニア不足の影響を受けて、採用コストの高騰にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、エンジニアの採用コストについて、内訳や採用単価の算出方法、採用手法別の平均コストなどをまとめました。
後半では、エンジニアの採用コストを抑える具体的な方法も紹介しています。エンジニアの採用にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
島添 彰
合同会社Solashi Japan 代表取締役。サントリーにて社内向けシステムの開発・運用に携わる。Yper株式会社を創業し、CTO・CPOとしてプロダクトの立ち上げ・グロースに従事。
エンジニアの採用単価が高騰している理由
近年、なぜエンジニアの採用コストが高騰しているのでしょうか。以下では、エンジニアの採用単価が高騰している理由を解説します。
- エンジニア不足
- 専門性の高さ
- 全国的な人件費の高騰
順番に解説します。
エンジニア不足
現在、社会の需要に対してエンジニアは不足している状況です。ITの進展により、IT関連事業は日々拡大し続けています。一方で少子高齢化によって日本の労働力人口は減少により、今後はますます深刻な人材不足に陥ると予測されています。
このような背景から、エンジニアを採用しようとしても雇用が進まない企業が多くなっています。結果、採用に時間がかかったり、雇用条件を引き上げたりすることで採用単価が高騰しているのです。
専門性の高さ
専門性の高さも、エンジニアの採用単価を引き上げる要因の一つです。AI、ビッグデータなど、IT分野では新しい技術が続々と生まれています。それに伴い、エンジニアが求められるスキルも高度化しつつあります。
しかし、企業の求めるレベルに対応できるような優秀なエンジニアは限られています。そのため、引き抜きや企業間での取り合いが発生し、採用コストが高騰しているのです。
また、このような需要の高まりは、採用活動の長期化を招き、採用コストを上昇させるもう一つの要因となっています。
全国的な人件費の高騰
IT人材に限らず全国的に人件費のコストが上昇していることもエンジニアの採用単価を引き上げる要因の一つです。
賃金の引き上げや人手不足などを背景に、日本での人件費は上昇傾向にあります。こうした中で優秀なエンジニアを見つけようとすると、採用コストの上昇は避けられません。
このような状況を受けて、開発業務を海外の開発会社に委託する「オフショア開発」が注目を受けています。日本よりも人件費の安い国に外注することで、優秀な人材をコストパフォーマンスよく確保できるメリットがあります。
オフショア開発に興味をお持ちの方は、ベトナムのシステム開発会社「Solashi Co., Ltd」までご相談ください。
エンジニアの採用コストの内訳
実際にどのようなシーンで費用がかかるのか、エンジニアの採用コストの内訳を見てみましょう。ここでは、外部コストと内部コストに分けてご紹介します。
外部コスト
外部コストとは、採用活動において外部のサービスや人材会社などに対して支払った費用のことをいいます。具体的には、以下のようなコストが含まれます。
- 求人広告の掲載料
- 人材紹介の手数料や成功報酬
- イベントへの出展費
- 説明会の会場費
- 採用HPの制作やパンフレットの作成にかかる費用
これらの外部コストは、採用市場の動向や競合他社の採用活動によって変動する可能性があるため、定期的な見直しと最適化が重要です。
内部コスト
内部コストとは、採用業務に際して社内で発生した費用のことです。例えば以下のような費用が挙げられます。
- 採用活動業務のための社内人件費
- 応募者への交通費
- 入社祝い金
これらの内部コストを正確に把握し、効率化を図ることで、総合的な採用コストの削減につながります。定期的なコスト分析と改善策の検討が望ましいでしょう。
採用単価の算出方法
採用単価とは、1人を採用するためにかかった費用のことです。採用単価は、以下の計算式で算出できます。
採用コストの総額(外部コスト+内部コスト) ÷ 採用人数 = 1人あたりの採用単価 |
仮に、外部コスト400万円+内部コスト100万円で、採用コストの総額が500万円とします。採用人数が5名だった場合、1人あたりの採用単価は100万円になります。
- (400万円+100万円)÷ 5名=100万円
採用単価が少ないほど、効率的な採用活動をおこなえているといえるでしょう。
エンジニアの採用コストの相場は?
株式会社マイナビが発表した「中途採用状況調査2024年版」によると、2023年における中途採用全体の平均採用コストは629.7万円でした。
このうち、IT・通信・インターネット業界の平均採用コストは998.5万円(前年比388.4万円増)となっています。IT・通信・インターネット業界では採用にコストをかけており、相場も他業種と比較して高い水準にあるといえるでしょう。
もちろん、IT・通信・インターネット業界の採用コストを、そのままエンジニアの採用コストとして捉えることはできません。しかし、IT・通信・インターネット業界は、性質上、エンジニアを採用する機会が多くなります。この点から当該業種の数値は、エンジニアの採用コスト相場を知るための目安となるでしょう。
【採用手法別】採用方法の特徴と目安コスト
エンジニアの採用手法について解説します。あわせて、株式会社マイナビが調査した中途採用に関する資料をもとに、平均採用コストについてもご紹介します。なお、本調査では業種別に採用コストの調査が実施されているため、エンジニアが属する「IT・通信・インターネット業界の数値」をもとに概算しました。
採用手法 | 年間平均採用コスト(業種:IT・通信・インターネット) |
人材紹介 | 454.2万円 |
求人広告 | 273.6万円 |
合同説明会 | 165.9万円 |
ダイレクトリクルーティング | 253.0万円 |
求人検索エンジン | 213.7万円 |
人材紹介|454.2万円
人材紹介は、採用にかかる手間が少なく内部コストを削減できる点が特徴です。人材会社が候補者の選定から面接調整まで行うため、採用担当者の負担が軽減されます。また、即戦力となる人材を確保しやすい点も大きなメリットです。
一方で、成功報酬が採用人材の年収のおおよそ3割程度かかるため、高額な年収のエンジニア採用では費用が高騰する可能性があります。特に、専門性の高いエンジニアを採用する場合は、このコストを考慮する必要があります。
IT・通信・インターネット業界における2023年の人材紹介の採用コストは平均454.2万円で、前年の295.3万円から大幅に上昇しています。
また、全業界における人材紹介の平均採用人数は3.48人です。このことを踏まえると、人材紹介における採用単価の目安はおおよそ131万円といえます。
求人広告|273.6万円
求人広告は多くの人の目に留まりやすく、エンジニアを大量雇用したい場合に適しています。オンライン求人サイトや専門誌など、様々な媒体を活用することで、幅広い層の求職者にアプローチできます。
成功報酬が発生しないため、採用人数が増えるほどコストパフォーマンスが向上します。特に大規模な採用を行う場合、この手法は効果的です。ただし、雇用につながらない場合も掲載料がかかるため、定期的な効果の見直しが重要です。
IT・通信・インターネット業界における2023年の求人広告の採用コストは、平均273.6万円となっています。前年は97.3万円であり、2.8倍以上に高騰しています。
合同説明会|165.9万円
合同説明会は、求職者と直接対面でコミュニケーションを取れる貴重な機会です。企業の雰囲気や文化を直接伝えられるため、ミスマッチを減らす効果が期待できます。また、複数の候補者と一度に会える効率的な面もあります。
合同説明会では、開催のための準備や、説明会に参加する社員の人件費などが発生します。求職者へ対面でアプローチできる反面、内部リソースを割く必要がある点には注意が必要です。
IT・通信・インターネット業界における2023年の合同説明会の採用コストは、平均165.9万円となっています。前年は104.8万円でした。
全業界における合同説明会の平均採用人数は2.19人です。そのため、採用単価の目安はおおよそ76万円といえます。
ダイレクトリクルーティング|253.0万円
ダイレクトリクルーティングとは、求職者に対して直接オファーを送り、スカウトする手法です。自社で直接人材を選定するためミスマッチが少なく、1人あたりの採用単価も比較的抑えやすくなっています。一方でオファー先の選定や求職者とのやり取りが発生するため、採用担当者のリソースが割かれる点には注意が必要です。
IT・通信・インターネット業界における2023年のダイレクトリクルーティングの採用コストは、平均253.0万円となっています。前年は141.5万円でした。
全業界におけるダイレクトリクルーティングの平均採用人数は2.61人です。これを参考にすると、採用単価の目安はおおよそ97万円といえます。
求人検索エンジン|213.7万円
求人検索エンジンは、基本的に無料で求人情報を掲載できる点がメリットです。しかし、膨大な情報の中に自社の採用情報が埋もれてしまうケースも多く、有料プランを活用している会社もあります。
IT・通信・インターネット業界における2023年の求人検索エンジンの採用コストは、平均213.7万円となっています。前年は78.7万円でした。
全業界における求人検索エンジンの平均採用人数は2.17人です。求人検索エンジンにおける採用単価の目安はおおよそ98万円といえます。
エンジニアの採用コストを抑える方法6選
以下では、エンジニアの採用コストを抑える方法を6つご紹介します。
- 採用コストが上がっている要因を解消する
- 採用条件を緩める
- SNSやオウンドメディアを活用する
- 費用対効果の高い採用手法に集中する
- 離職率を下げる
- 外注・アウトソーシングを活用する
それぞれについて、見ていきましょう。
1. 採用コストが上がっている要因を解消する
はじめに、エンジニアの採用にかかっている現在のコストを洗い出しましょう。先述した外部コストと内部コストの内訳も参考に、どれほどのコストがかかっているのか数値化します。
この分析により、過剰な出費がある項目を特定できます。たとえば、高額な紹介手数料を支払っている場合、自社での採用活動強化や採用手法の見直しで削減できる可能性があります。また、面接プロセスが長すぎる場合、効率化によって内部コストを抑えられるでしょう。
採用コストのうち、過分な出費が発生している項目があれば、費用を削減できないか検討します。採用コストが上がっている要因を解消することで、効率的に採用を進められるようになります。
2. 採用条件を緩める
エンジニアに求める採用条件を緩めることで、採用コストを抑えられる可能性があります。必須スキルや勤務条件を緩めることで募集が集まりやすくなります。これまで応募してこなかった層のエンジニアを雇用できるかもしれません。ただし、無計画な緩和はミスマッチのリスクを高めます。そこで、以下の工夫が効果的です。
- 業務の本質的要件を明確化し、それに基づいて条件を設定
- 入社後の教育体制を整備し、スキルギャップを埋める
- 試用期間を設け、相互に適性を確認する機会を設ける
これらの施策を実施する際は、募集部署と密に連携し、現場の声を積極的に取り入れましょう。必要最低限の条件を維持しつつ、柔軟な採用戦略を展開することで、コスト効率の良い人材確保が可能になります。
3. SNSやオウンドメディアを活用する
SNSやオウンドメディアは、予算が限られた企業にとって効果的な採用方法です。これらのプラットフォームを活用することで、低コストで自社に興味のある人材に直接アプローチできます。たとえば、LinkedInで業界のトレンドや自社の取り組みを発信したり、YouTubeで社員インタビューを公開したりすることで、企業の魅力を効果的に伝えられます。
また、noteで技術ブログを運営し、エンジニアの日常や技術的な知見を共有することも有効です。これにより、専門性の高い人材との接点を増やせます。
ただし、継続的なコンテンツ作成には人的リソースが必要です。効果を最大化するには、担当者を決め、計画的な運用を心がけましょう。長期的には、採用コストの削減と質の高い人材の獲得につながります。
4. 費用対効果の高い採用手法に集中する
費用対効果の高い採用手法があれば、集中投資することで効率よく採用をおこなえます。採用手法ごとの採用単価を算出して、見直しをしてみましょう。
より効率的に採用できる手法にシフトすることで、採用コストを削減できる可能性があります。
5. 離職率を下げる
採用コストを抑える方法とは少し異なりますが、人材の定着率を高めることも採用コスト削減に大きく寄与します。既存社員の離職率が下がれば、新規採用の必要性が減少し、結果的に採用コストの抑制につながります。
この目標を達成するために、以下のような施策が効果的です。
- 評価制度の公平性と透明性の向上
- 労働環境の改善(例:フレックスタイム制の導入)
- キャリア開発支援(研修手当や資格取得支援など)
- 定期的な1on1ミーティングによるコミュニケーション強化
これらの取り組みにより、エンジニアの仕事満足度が向上し、離職率の低下が期待できます。結果として、長期的な視点で見れば採用コストの削減にもつながるのです。
6. 外注・アウトソーシングを活用する
エンジニアの採用が難航し、コストが膨らむ場合、外注やアウトソーシングの活用が効果的です。
この方法には、中途採用と比べていくつかの利点があります。まず、迅速な人材確保が可能で、プロジェクトの即戦力となります。また、契約形態が柔軟で、業務量に応じて調整しやすいのも特徴です。さらに、専門性の高い人材を必要な期間だけ確保できるため、長期的な人材育成費用も抑えられます。採用や教育にかかる時間とコストを削減しつつ、高度なスキルを持つエンジニアの力を借りられるのです。
適切に活用すれば、採用コストの削減と業務効率の向上を同時に実現できます。特にベトナムなどIT人材が豊富な国のオフショア開発企業には、高スキルのエンジニアが多数在籍しています。物価が日本より安いため、委託費用も比較的安価です。品質とコストの両立を目指すなら、オフショア開発は有力な選択肢となるでしょう。
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エンジニアの採用コストについて、採用単価が高騰する理由やコストの内訳、採用手法別の平均採用コストなどをご紹介しました。エンジニア不足により、国内で優秀なエンジニアを雇用することは難しくなっています。採用活動が長期化してしまうと、その分採用コストは膨れ上がります。
このような状況下で、コスト効率の良い人材確保の方法として、オフショア開発が一つの選択肢となっています。海外の開発会社に業務を委託する「オフショア開発」では、優秀な人材をコストパフォーマンス良く確保できる可能性があります。
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Solashiには、他にも以下のような特長があります。
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島添 彰
合同会社Solashi Japan代表。1989年4月生まれ、福岡県出身。大阪府立大学大学院情報数理科学専攻修了。2014年サントリーホールディングスのIT機能をもつ「サントリーシステムテクノロジー株式会社」に入社。自動販売機の配送管理や効率化、販売管理システムの開発から運用、導入まで広く担当する。2017年にYper株式会社を創業、同社のCTO・CPOに就任。アプリ連動型の置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の立ち上げ・プロダクトのグロースに携わる。東洋経済社の名物企画「すごいベンチャー100」、Forbes誌による「Forbes 30 Under 30 Asia 2019」に選出される。