「アプリ開発を外注の進め方がわからない」「外注するべきか判断に迷っている」
「外注先を選ぶポイントが知りたい」
アプリ開発の外注について、こういった悩みを抱えている方もいるかもしれません。
本記事では、アプリ開発を外注するメリットやデメリットに加えて、開発会社の選び方や費用相場も合わせて解説します。具体的な選定ポイントから費用を抑えるコツまで網羅しました。アプリ開発の外注で悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
島添 彰
合同会社Solashi Japan 代表取締役。サントリーにて社内向けシステムの開発・運用に携わる。Yper株式会社を創業し、CTO・CPOとしてプロダクトの立ち上げ・グロースに従事。
アプリ開発を外注する3つのメリット
アプリ開発を外注するメリットには、以下の3つのメリットがあります。
- ノウハウやスキルがなくても開発できる
- 一定のクオリティを期待できる
- 開発後の運用保守も委託できる
各メリットについて、詳しく解説していきましょう。
1.ノウハウやスキルがなくても開発できる
自社にアプリ開発ノウハウがなくても、外注によってアプリ開発を実現できます。アプリ開発には専門的な知識と経験豊富な人材、整った開発体制が不可欠ですが、それらをゼロから自社で用意するのは多大な時間とコストがかかります。
開発会社なら、クライアントのニーズに合わせて最適な人員を割り当て、その経験と専門性を活かしてアプリを形にしてくれます。また、ニーズや要件が不明確な場合は、コンサルティングサービスの利用で、課題の分析・整理から最適な機能や仕様の提案まで対応可能です。
外注により、自社にノウハウがない状態からでも、効率的にアプリ開発を進められます。
2.一定のクオリティを期待できる
信頼できる開発会社に依頼すれば、一定の品質が担保されたアプリ開発が可能です。システム開発会社は、品質を担保するための体制が整っています。要件定義や設計段階でのレビュー、テスト工程の充実など、高い品質を保つためのプロセスが確立されています。
このような品質管理体制のもとで開発が進められるため、事前に定義した品質基準をクリアしたアプリ開発が可能です。
3.開発後の運用保守も委託できる
開発会社の中には、アプリのリリース後の運用や保守まで受け付けているところもあります。開発に携わった会社であれば、システムの構造を熟知しているため、メンテナンスやトラブル対応を迅速かつ適切に行うことができます。
また、保守運用の委託は、自社の人的リソースの節約にもつながります。保守運用には、システムの監視や修正、アップデートなど、様々な業務が求められ、継続的に人員を割く必要があります。開発会社に保守運用を委託することで、自社のリソースを他の業務に振り向けることが可能です。
リリース後の安定稼働に向けて、開発から運用保守まで一貫して依頼することをおすすめします。
アプリ開発を外注するデメリット
アプリ開発の外注には、以下のデメリットがあります。
- 自社にノウハウが蓄積されない
- 費用がかさむ場合がある
外注にあたっては、これらのデメリットをしっかり把握したうえで、利用方法を検討しましょう。それぞれ解説していきます。
自社にノウハウが蓄積されない
アプリ開発を外注する最大のデメリットは、自社にノウハウが蓄積されないことです。社内の人間が開発プロセスに関われないため、成長の機会を逃してしまいます
一回きりの開発や、人材育成の必要がない場合は、この点を考慮する必要はないでしょう。しかし、自社でもシステム開発の体制を整えたいなら、共同開発や技術交流会、一部工程の内製化など、ノウハウ蓄積につながる取り組みが求められます。
費用がかさむ場合がある
開発会社に外注する際には、費用面でのリスクに注意が必要です。アプリ開発の費用は、アプリの種類や求める機能、エンジニアの人月単価などによって大きく変動します。そのため、安易な依頼先選定は、高額な費用負担を招く恐れがあります。
また、開発途中での仕様変更や修正の多発で工期が延びれば、その分の人件費が余分に発生します。費用の内訳や追加費用の算出方法など、事前に開発会社とよく擦り合わせをしておくことが肝心です。費用面のリスクを認識し、事前に入念な認識合わせを実施し、防げるトラブルを回避しましょう。
アプリ開発を外注する7ステップ
ここからは、アプリ開発を外注する場合の流れをご紹介します。全体の流れを7ステップにまとめました。1つずつ解説していきます。
1. 企画を立案する
最初のステップは、アプリ開発の企画立案です。目的やターゲット、実装する機能などを明確にし、外注先とのコミュニケーションに備えます。具体的には、以下のポイントをおさえておきましょう。
- アプリの開発目的
- アプリのターゲット
- 開発するアプリの内容やアイデア
曖昧な企画のまま進めると、後々の手戻りやトラブルの原因になります。開発会社とのすり合わせもスムーズに行えるよう、明確で具体的な企画を心がけましょう。入念な企画立案は、その後の開発を大きく左右する重要なプロセスといえます。
2. 外注先を選ぶ
企画が固まったら、開発を委託する外注先を選びましょう。後述する選定ポイントを踏まえつつ、自社に最適な開発会社を見極めましょう。単に技術力の高さだけでなく、コミュニケーション能力や見積もりの妥当性なども総合的に判断することが求められます。
信頼できるパートナーを選べば、円滑なプロジェクト進行と高品質な成果物が期待できます。一方、安易な選定は、手戻りなどの問題を招くリスクがあるので注意が必要です。
3. 要件定義をおこなう
外注先が決まったら、要件定義のフェーズへ移行します。要件定義とは、開発するアプリの機能や性能など、求める要件を明文化する作業のことです。外注先との認識齟齬を防ぐためにも、自社の要望を明確に伝えることが肝心です。
アプリ開発の知見が自社に不足している場合は、この段階から外注先の協力を仰ぐのも一案です。外注先とのコミュニケーションを密に取り、ブレのない要件定義を目指しましょう。
4. 開発の進捗を管理する
開発が始まったら、密に情報共有を実施して進捗を確認しましょう。実際の開発は外注先が主導で進めますが、定期的な進捗報告会議などを通じて、スケジュールや課題の共有を図ることが大切です。開発中に要件変更が生じた際は、外注先とスピーディーに協議・対応することが求められます。綿密な情報共有体制のもと、外注先との連携を強化していきましょう。
5. テストを実施する
開発が完了したら、テストフェーズに移行します。アプリ開発のテストは、主に以下の4種類に分けられます。
- 単体テスト
- 結合テスト
- システムテスト
- 受け入れテスト
単体テストやシステムテストは開発会社が主導で実施しますが、定期的な進捗報告会議を通じてテストの状況を確認するようにしましょう。不明点や懸念点があれば、この場で開発会社に質問や確認をします。
開発会社でのテストが完了したら、自社で受け入れテストを実施します。アプリの操作性や仕様の妥当性を、エンドユーザーの視点で入念にチェックすることが重要です。受け入れテストで発見された不具合や改善点は、速やかに開発会社にフィードバックを行い、修正を依頼します。テストフェーズは納品物の品質を左右する重要な工程です。十分な時間を確保して、入念に実施しましょう。
6. アプリをリリースする
テストを経て、品質の担保されたアプリが完成したら、アプリをリリースします。iOS アプリの場合は App Store、Android アプリの場合は Google Play Store への申請が必要です。申請前に、審査ガイドラインに沿った内容になっているか漏れのないようにチェックします。申請手続きは、外注先と連携しながらスムーズに進めていきましょう。
一方、Webアプリでは、サーバーの準備とドメインの設定が必要です。サーバーのスペックや設定、ドメインの取得や設定など、専門的な知識が求められます。外注先と入念に公開手順を確認し、トラブルのないリリースを目指しましょう。
さらに、リリース後の初期トラブルにも備えておくことが大切です。予期せぬ不具合やユーザーからの問い合わせに迅速に対応できるよう、外注先と緊密に連絡を取り合える体制を整えておきましょう。リリース後も安定稼働を維持し、ユーザーに価値を提供し続けられるよう、入念な準備と対応が求められます。外注先との綿密な連携のもと、円滑なリリースを実現しましょう。
7. 保守・運用する
アプリを公開した後は、保守・運用フェーズへ移行します。継続的にメンテナンスを行うことで、安定稼働を維持できます。
ユーザーからのフィードバックを収集し、改善につなげていくことも重要です。定期的なアップデートを計画的に実施することで、アプリの価値を高められるでしょう。
また、障害が発生した際には、外注先と連携して速やかに対応にあたりましょう。そのため、保守・運用フェーズでも、外注先との継続的な協力関係が重要になります。
アプリ開発を外注する際の費用相場
アプリ開発の外注費用は、アプリの種類や規模、求める機能などによって大きく変動します。株式会社Pentagonが実施した「アプリ開発にかかる費用の実態調査」によると、アンケート回答者(354名)のうち80%以上が、アプリ開発にかかった総額を1000万円以下と回答しています。
出典:PR TIMES「アプリ開発にかかる金額は2,000万円以上?アプリ開発の実態調査」株式会社Pentagon調べ
費用の相場観を知るには、複数の開発会社に見積もりを依頼し、比較検討するのが最も確実な方法です。依頼内容を具体的に伝え、各社の見積もりを精査することで、適正な費用感を掴むことができます。
アプリ開発で費用を抑えるコツ
ここからは、アプリ開発で費用を抑えるコツを紹介します。ポイントは、以下の4つです。
- 要件を明確にする
- 依頼したい内容を絞る
- 補助金を活用する
- オフショア開発を活用する
要件を明確にする
要件定義が曖昧なまま契約を結ぶと、修正や仕様変更により余計な工数がかかってしまいます。その分開発費が膨らむことになり、当初の予定よりも費用が高くなる可能性があります。依頼段階で要件を明確にしておけば、修正や仕様変更のリスクを最小限に抑えられます。事前の確認ポイントとして、以下のような項目を明確にしましょう。
- アプリ開発の目的
- デザイン
- 実装する機能
- 求める性能やセキュリティ(非機能要件)
- 開発期間・スケジュール
- 保守管理
- 実装に必要な人材
要件定義では、開発会社との認識の齟齬を防ぐためにも、できるだけ具体的に要件を記述することが重要です。曖昧な表現は避け、数値や例示を用いて分かりやすく表現しましょう。
依頼したい内容を絞る
外注費用を抑えるには、依頼内容の絞り込みも効果的です。外注に頼らざるを得ない部分に注力し、自社対応が可能な箇所は内製化する判断が求められます。たとえば、デザイン部分を自社で済ませたり、別のデザイナーに依頼したりするといった方法があります。
ただし、自社にアプリ開発の知見がない状態での過度な内製化は、アプリの品質を損なう可能性があります。かえって費用対効果が悪化するため、役割分担は開発会社と相談しながら決めましょう。
また、アプリに必要な機能を精査し、優先順位をつけることも大切です。初期リリースでは、必要最低限の機能に絞り込み、段階的に機能を追加するといった方法が有効です。
補助金を活用する
アプリ開発費用の一部は、補助金で賄えるケースがあります。例えば「ものづくり補助金」は、幅広い業種の事業者が活用可能な補助制度です。この制度では、サービス業や小売業、建設業、旅行業など、幅広い事業者が対象となっています。
以下の目的でのアプリ開発では、ものづくり補助金の申請が可能です。
- IT等活用による革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化
- DX・GXの分野をはじめとする革新的な製品・サービスの開発促進
- 海外事業による国内の生産性向上
以下の記事で具体的な申請手順や条件を解説していますので、興味のある方はご覧ください。
【2024年最新】ものづくり補助金とは?条件や申請手順を徹底解説
オフショア開発を活用する
オフショア開発を活用することで、開発コストを抑えられます。オフショア開発とは、海外の開発会社にシステム開発を委託することです。国内よりも人件費の安い海外の会社に委託することで、開発にかかる費用全般を抑えられます。
特に、ベトナムのようなIT人材が豊富な国に委託することで、高い技術力を持つ人材を比較的安価に活用できます。ただし、オフショア開発では、言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさなどの課題もあります。そのため、日本語でコミュニケーションが可能で、オフショア開発の経験が豊富な開発会社を選ぶことが重要です。
弊社「Solashi Co., Ltd」では、事業立ち上げやスタートアップ案件を担った経験のある日本人PMが複数名在籍しています。初めて海外へシステム開発を依頼する場合も安心してご依頼いただけます。高品質なクオリティのアプリ開発を、お手頃な価格で実現可能です。ご興味のある方は、弊社のWebサイトをご覧ください。
アプリ開発の外注先の選び方
アプリ開発の外注先の選び方を4つにまとめて解説します。
- 開発実績があるか
- コミュニケーションが取りやすいかどうか
- 開発後もサポートしてくれるかどうか
- セキュリティ体制は問題ないか
開発実績があるか
まずは開発会社の実績をチェックしましょう。アプリには、特に、自社の目指すアプリ領域での実績の有無は重要なポイントです。幅広い実績を誇る会社なら、企画段階からのアドバイスが期待できます。また、実績豊富な会社は、開発工程の手戻りリスクも小さいと考えられるでしょう。
会社のWebサイトなどで、これまでの実績や得意分野を事前に確認しておくことをおすすめします。要件に合致する実績が豊富な会社は、高品質なアプリを開発してくれる可能性が高いです。実績の確認は、開発力の見極めに直結する重要なプロセスなので、可能な限り多くの情報を集めるようにしましょう。
コミュニケーションが取りやすいかどうか
高品質なアプリを実現するには、コミュニケーションの取りやすさも重要です。特に自社に知見が不足している場合、親身なヒアリングや積極的な提案をしてくれる会社を選ぶといいでしょう。
問い合わせやヒアリングの段階で、自社の事業理解度や提案内容の的確さ、説明の分かりやすさなどに着目しましょう。開発中も円滑なコミュニケーションを期待できる会社なら、手戻りのない効率的な開発が可能になるはずです。複数の開発会社と話し合える機会を設け、最適なコミュニケーションが取れる会社を選定しましょう。
開発後もサポートしてくれるかどうか
メンテナンスや不具合対応など、アプリのリリース後の保守・運用を見据えた会社選定も欠かせません。特に、自社に十分な運用リソースがない場合は、手厚いサポート体制が整った会社がおすすめです。
開発に携わった会社であれば、システムの仕様を熟知しているため、迅速で的確なサポートが期待できます。一方、新たに別の会社に委託する場合は、引き継ぎコストや対応遅延のリスクが避けられません。アプリの価値を維持し、継続して運用できるよう、一貫したサポートが受けられる会社を選びましょう。
セキュリティ体制は問題ないか
外注先選定では、セキュリティ対策も重要な判断基準となります。機密情報を取り扱うため、セキュリティ体制のチェックは必須です。具体的には、候補各社にNDAの締結を求めると同時に、社内のセキュリティ基準の充足度を精査します。また、ISMSなどのセキュリティ認証の取得状況や、従業員教育の実施状況にも注目しましょう。
できれば、顧客データの保護や、機密情報の適切な取り扱いができる体制が整っているかどうかも確認すべきです。慎重に精査し、信頼に足る会社を選定することが重要です。
アプリ開発の外注なら「Solashi」までご相談を
本記事では、アプリ開発の外注先について、会社の選び方や選定ポイント、費用相場をご紹介しました。外注先の選定では、単に技術力だけでなく、コミュニケーション能力や提案力、サポート体制、セキュリティ対策など、多角的な視点からの見極めが不可欠です。特に初めての外注では、ノウハウ不足から適切な会社選びに戸惑うケースも少なくありません。そんな際は、コンサルティングの充実した会社への相談がおすすめです。
アプリ開発の外注をお考えなら、ぜひ弊社「Solashi Co., Ltd」にお任せください。人件費が抑えられるオフショア開発の強みを活かして、コストを抑えながら、高品質なクオリティのアプリ開発が可能です。
日本人PMの伴走のもと、言語や文化の壁を越えたスムーズな開発を実現。先端技術を駆使した高品質なアプリを、お手頃な価格でご提供します。ご興味のある方は、お気軽に「Solashi Co., Ltd」までご相談ください。
島添 彰
合同会社Solashi Japan代表。1989年4月生まれ、福岡県出身。大阪府立大学大学院情報数理科学専攻修了。2014年サントリーホールディングスのIT機能をもつ「サントリーシステムテクノロジー株式会社」に入社。自動販売機の配送管理や効率化、販売管理システムの開発から運用、導入まで広く担当する。2017年にYper株式会社を創業、同社のCTO・CPOに就任。アプリ連動型の置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の立ち上げ・プロダクトのグロースに携わる。東洋経済社の名物企画「すごいベンチャー100」、Forbes誌による「Forbes 30 Under 30 Asia 2019」に選出される。