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ベトナムオフショア開発の単価は?IT人材の給与事情と最新動向

ベトナムオフショア開発の単価は?IT人材の給与事情と最新動向

ベトナムオフショア開発の単価は?IT人材の給与事情と最新動向

「オフショア開発で単価が安いと言われる、ベトナムに興味がある」
「ベトナムのエンジニアの具体的な給料相場が知りたい」

オフショア開発を検討する中で、このような関心や疑問が出てきた方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ベトナムのオフショア開発の単価を解説します。他国の単価を比較しながら、ベトナムのIT人材の給料相場も紹介します。

ベトナムのオフショア開発でコスト高につながりやすい失敗のパターンや、失敗を防ぐコツも具体的にまとめました。

オフショア開発を成功させたい方は、ぜひお読みください。

島添 彰

合同会社Solashi Japan 代表取締役。サントリーにて社内向けシステムの開発・運用に携わる。Yper株式会社を創業し、CTO・CPOとしてプロダクトの立ち上げ・グロースに従事。

ベトナムオフショア開発の人月単価

人月単価とは、IT人材1名が1カ月稼働した際にかかるコストのことです。

ここでは、ベトナムオフショア開発にかかる人月単価を紹介します。他国の人月単価も紹介するので、比較検討をする際の参考にしてください。

ベトナムの人月単価(職種別)

ベトナムオフショア開発の人月単価は、職種によって異なります。

プログラマー、シニアエンジニア、ブリッジSE、プロジェクトマネージャー(以下、PM)それぞれの最新(2023年)の人月単価は以下の通りです。

職種人月単価昨年比
プログラマー40.22万円+26.75%
シニアエンジニア49.13万円+23.20%
ブリッジSE57.73万円+12.44%
PM79.38万円+37.00%
(参照:オフショア開発白書(2023年版)│株式会社テクノデジタル

これに対して日本のSEの人月単価は、初級のSEでも60万円~80万円がおおよその相場です。

ベトナムの人月単価は日本の単価相場よりも安いことがわかります。ただし、単価は各人材のキャリアやスキルなどによって異なるため、いずれも参考情報としてお役立てください。

以下は、ベトナムでオフショア開発会社を運営する弊社「Solashi Co., Ltd」の開発体制と料金の例です。

3カ月間のプロジェクト期間で、日本の開発会社と、弊社のラボ型開発の開発コストを比較しました。

(出典:弊社概要_Web公開用より抜粋)

ベトナムの人月単価は日本よりも安いため、全体の開発コストを抑えられます。

さらに注目すべきは、開発体制です。開発体制は、日本がSE2名のみです。弊社では、SE2名にリードエンジニア、BeSE、QA、シニアメンバーを加えています。

このように弊社をはじめとするベトナムオフショア開発なら、日本で開発をおこなうよりも低価格を実現でき、充実した開発体制も整えられるでしょう。

ベトナムオフショア開発の人月単価の動向

ベトナムオフショア開発の人月単価の動向を知っておくと、開発国や都市選びの参考になるでしょう。ここでは、2つを取り上げます。

すべての職種で単価が上昇している

「オフショア開発白書(2023年版)」によると、ベトナムオフショア開発の人月単価は全職種で昨年よりも価格が上昇しています。

その中でも、プログラマー、シニアエンジニア、PMは20%~30%台の単価上昇が見られました。単価は上昇しても、IT人材は豊富であることがポイントです。

ベトナムはIT教育が国策として実施されており、人材を安定して確保できます。さらに、日本よりも開発コストを抑えながら、優秀なエンジニアを揃えて、万全の開発体制を構築することが可能です。

(参照:オフショア開発白書(2023年版)│株式会社テクノデジタル

新興都市は安価な傾向にある

ベトナムでは、ダナンやフエ、カントーのような新興都市にもオフショア開発会社が設立されています。

「オフショア開発白書(2023年版)」では、新興都市の開発会社は単価が安い傾向にあります。とくにダナンは人件費が安いだけではなく、IT産業の離職率が低い都市です。

IT人材の流動性が低いこともあり、顧客業務のノウハウを社内に蓄積しやすいこともメリットとして挙げられます。

単価は案件の内容や規模によって変わりますが、今後はベトナム国内のどの都市に開発を委託するかで、単価は左右されるでしょう。コストを抑えたい会社は、新興都市を検討するのも1つです。

ただし、実績のある開発会社が集まっているのは、ハノイやホーチミンの二大都市です。首都圏は教育水準が高いと言われており、これらの都市にある大学を卒業したIT人材のレベルも高い傾向にあります。

そのため、ハノイやホーチミンのオフショア会社に依頼することで、品質が高まったり、開発全体がスムーズに進みやすかったりと、さまざまなメリットが期待できるでしょう。

また、二大都市には、日本や欧米諸国の会社と取引のある会社も多くあります。各社がマーケティングやブランディング戦略にも注力しており、差別化が進んでいる状況です。

そのため近年はコスト面だけでなく、得意分野や特徴も細分化されています。ベトナム国内でも、各都市とオフショア開発会社の情報をよく調べて、見積りを依頼し比較検討することで、自社に合った一社が選択できるでしょう。

(参照:オフショア開発白書(2023年版)│株式会社テクノデジタル

他国とベトナムの人月単価を比較

ほかの開発国におけるオフショア開発の人月単価を職種別にまとめると、以下のような結果になりました。

プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
ベトナム40.22万円49.13万円57.73万円79.38万円
中国50.51万円61.79万円79.29万円92.14万円
フィリピン35.83万円53.33万円81.25万円70.83万円
ミャンマー27.47万円54.16万円68.33万円97.50万円
バングラデシュ44.13万円46.13万円90.96万円58.63万円
インド50.83万円68.75万円94.29万円111.43万円
(参照:オフショア開発白書(2023年版)│株式会社テクノデジタル

ベトナムと比べると、中国やインドは全体的に高単価であることがわかります。

ミャンマーやバングラデシュはベトナムよりも安価な職種が見受けられますが、政治情勢の不安定さやインフラがあまり整備されていないことが懸念点でしょう。

ベトナムは政情が落ち着いており、インフラ環境も充実しています。総合的に見れば、比較的低価格で安定した開発ができる国だと考えられるでしょう。

関連記事:オフショア開発の最新動向と人気国ランキング!上位7カ国の特徴

ベトナムIT人材の1カ月の給料相場

「セカイハブ」の調査によると、ベトナムにおけるITエンジニアの給料相場は約1,063ドルです(※2023年6月時点)。これを日本円に換算すると、約15万円となります(1ドン=約0.00596円で計算)。

(参照:ベトナムITエンジニアの給料相場│セカイハブ

ただし、エンジニアの経験やレベルによって給与は変わります。上記は、シニアエンジニアや中級レベルのエンジニアの給与相場です。

ジュニアソフトウェアのエンジニアであれば、より給与は低くなります。マネージャーやディレクタークラスになると、20万から40万円までが相場となります。

一方、日本のITエンジニアの平均月収は約40万円です。以上のことから考えると、ベトナムIT人材の給料は日本より相場が低いとわかります。この金額はいずれも目安なので、参考としてご覧ください。

(参照:日本ITエンジニアの給料相場│求人ボックス 給料ナビ

ベトナムのオフショア開発の動向

オフショア開発検討先の国別ランキングで、ベトナムは48%と他国よりも大きく差をつけて1位となっています。

<オフショア開発検討先 国別ランキング>
第1位:ベトナム:48%
第2位:フィリピン:21%
第3位:インド:13%
第4位:バングラデシュ:8%
第5位:中国、ミャンマー:4%
第6位:ウクライナ:2%
※「指定なし」が全体の64%
(参照:オフショア開発白書(2023年版)│株式会社テクノデジタル

ベトナムが人気を集めている理由はいくつかありますが、その1つがIT人材の確保のしやすさです。

ベトナムでは政府が主導してIT人材を育成しており、人材が豊富であるためです。たとえば、小学3年生からコンピューター教育が始まり、中学校からソフトウェアコーディングやIT科目の授業が実施されています。

最新デジタル情報技術教育の充実に政府が力をいれているため、今後もIT人材の輩出が期待されます。

また、各分野に強みを持ったオフショア開発会社が参入していることも、近年に見られる動向の1つです。

  • 特定の技術領域に強い
  • 事業立ち上げフェーズから支援可能
  • 上流工程から下流工程まで一任できる
  • 柔軟な開発体制の構築ができる
  • 日本語でコミュニケーションがとりやすい

さまざまな会社がベトナムには存在します。選択肢が広がっていることから、自社に適した会社を見つけられるでしょう。

「Solashi Co., Ltd」は、ハノイ工科大学やベトナム国家大学などのトップ校出身者をメインに採用しています。

事業の立ち上げ経験のある日本人スタッフが在籍しており、プロジェクトをサポートいたします。現地メンバーも日本語によるコミュニケーションが可能です。

高い技術力や日本語でのやり取りをご希望の方はお問い合わせください。

ベトナムオフショア開発でコスト増になる2つのパターン

ベトナムでオフショア開発をすることで、優秀なIT人材を確保しながら、コストカットも実現できるでしょう。

しかし、進め方によってはコスト増になるケースもあります。コスト面での失敗に陥るパターンを2つ紹介します。

人件費以外のコストが増加する

オフショア開発の人月単価を抑えられたとしても、人件費以外のコストが増大するケースがあります。主な例は以下の通りです。

【人件費】

  • エンジニアの人件費
  • 別途、通訳やブリッジSEを手配する際の費用
  • システムの設計費、ディレクション費用
  • 運用・保守費用

【人件費以外】

  • 渡航費・滞在費

このほかに、契約形態によっては、成果物の品質が低いために修正費用がかかることもあります。

コストカットを目的に導入した場合、費用が膨らむと、オフショア開発のメリットを感じられなくなるかもしれません。

より詳しい費用の説明は、「オフショア開発の費用|国別の単価相場とコストを抑える方」をご覧ください。

円安により開発コストが高騰する

海外との取引である以上、為替変動によるリスクは常にあります。円安になれば、最終的にコスト増となるケースも出てくるでしょう。

なお、オフショア開発の費用支払いは基本的に現地通貨(ドン)となります。2019年~2021年ごろは1円あたり約200ドン~220ドンで推移していました。

しかし、2022年以降になると200ドンを切り、円安ドン高を記録しています。

(参照:XE Currency チャート: JPY から VND│Xe

ベトナムオフショア開発で失敗を防ぐコツ3つ

コスト増につながる失敗は、適切な対策をとることで防げる確率が高まります。ここで紹介する3つのコツを取り入れて、ベトナムのオフショア開発の成功につなげてください。

コストの総額を細かく算出する

オフショア開発に必要なコストの総額を細かく算出しましょう。

コストの内訳は、人件費と人件費以外です。人件費は、人月単価(エンジニア1人が1ヶ月作業する単価)×工数で決まります。案件の内容によって人月単価や工数は変わるため、どれくらいかかるのかを確認しましょう。

オフショア開発にかかるコストの大半は人件費ですが、それ以外の費用も算出しておきます。たとえば、現地を視察するのにかかる費用が挙げられます。

コストの総額を細かく算出することで、コストを抑える方法も検討できるかもしれません。

具体的には「最低限の機能だけ開発し、無駄な機能は省く」「経験豊富な人材をアサインすることで、開発スピードを上げ、工数を短くする」などの方法です。

為替変動リスクに対応する

もう1つのコツが、為替変動リスクへの対応です。

とりわけ長期間のプロジェクトや大規模で高額なコストがかかるプロジェクトは、為替変動によるリスクが顕著になります。

そのリスクを回避するには、為替レートを固定して取引をするヘッジ取引や、円建ての取引きなどの対策が有効です。

また、為替変動だけでなく、想定外の支出に備えるため、ゆとりを持った予算を用意しておくと安心です。

IT投資の最適化ができる会社を選ぶ

オフショア開発におけるIT投資の最適化とは、立ち上げ段階やリリース後など各フェーズに適した金額の投資をおこなうことです。

たとえば、サービスイン初期から、すべてをシステム化することは、初期費用が増加し、将来の変更に柔軟に対応できなくなることがあります。

IT投資の最適化が見込めない会社を選ぶと、ベトナムオフショア開発ならではのコストメリットを享受できないかもしれません。

たとえば初期費用を拡大しすぎた場合、中長期的なビジネスの成功につなげられないこともあります。適切な投資額を判断してくれる会社を選びましょう。

「Solashi Co., Ltd」は、フェーズに合った規模のIT投資を大切にしています。後戻り不可能な失敗を避け、中長期的なビジネスの成功を見据えた判断をサポートします。

ベトナムのオフショア開発ならSolashiがおすすめ

ベトナムオフショア開発の人月単価は、各職種で上昇傾向にあります。新興都市の人月単価はまだ低いため、費用を抑えた開発ができます。

しかし、高い技術力で開発をするなら、ハノイやホーチミンの都市部がおすすめです。費用をかけたとしても、経験豊富なエンジニアをアサインでき、充実した開発体制を整えられます。

ベトナムのオフショア開発会社は差別化が進んでいることもあり、自社が開発したいプロジェクトに合った会社を選ぶことが大切です。

高品質なシステム開発をご希望なら「Solashi Co., Ltd」にご相談ください.、低コストでプロジェクトを進めるだけでなく、IT投資の最適化を重視している開発会社です。

低コストで製品を開発し、顧客の様子を見ながらプロジェクトを進めていくリーンスタートアップの手法も採用しています。

予算を抑えながらのスモールスタートが可能です。オフショア開発の費用面が気になる場合も、安心してプロジェクト開発を進められます。

日本の会社と取引実績が豊富なチームが、誠心誠意サポートさせていただきます。ぜひお気軽にお見積りをご依頼ください。

島添 彰

合同会社Solashi Japan代表。1989年4月生まれ、福岡県出身。大阪府立大学大学院情報数理科学専攻修了。2014年サントリーホールディングスのIT機能をもつ「サントリーシステムテクノロジー株式会社」に入社。自動販売機の配送管理や効率化、販売管理システムの開発から運用、導入まで広く担当する。2017年にYper株式会社を創業、同社のCTO・CPOに就任。アプリ連動型の置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の立ち上げ・プロダクトのグロースに携わる。東洋経済社の名物企画「すごいベンチャー100」、Forbes誌による「Forbes 30 Under 30 Asia 2019」に選出される。

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